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商品開発・改良支援の取り組み<buyer’s one>は
バイヤーと共にマーケットの需要を踏まえた商品作りに取り組める貴重なサービス。
売れる商品づくりの実現に向け、第一線で活躍する現役バイヤーが商品開発・改良から販路開拓までサポートします。
ブログでは、buyer’s oneに参加し商品開発や改良に取り組んだ事業者の声を、シリーズでお届け。
第5回は『㈱紀伊長島×大丸松坂屋百貨店 セララバアド橋本宏一監修 マグロ、カツオ、タイの漬け丼セット』です。
buyer’s one/buyer’s roomについては https://buyers-room.com/ をチェック
ハーブ風味のカツオに、粒マスタード風味のマグロ、そしてトルコの香辛料「スマック」とオイルを合わせたタイ…。
2021年のbuyer’s oneへの参加をきっかけに、大丸松坂屋百貨店のバイヤーのアドバイス、実力シェフの監修を受け、新感覚の魚の漬け丼を開発したのが、三重・紀北町で水産加工業を営む㈱紀伊長島。
日常食の漬けが、百貨店のギフトとして評判を得るまでのストーリーを、代表取締役の長井さんに伺った。
――「buyer’s one」に参加した約半年後に、大丸松坂屋でのギフト展開が実現したのですね
(㈱紀伊長島 代表取締役 長井優幸さん)
「buyer’s one」に商品を出品したのが、2021年夏。そこから約1ヵ月で商品改良がスタートしました。
出品したのは「漬けカツオセット(てこね寿司セット)」1品でしたが、大丸松坂屋さんで冬のギフトとして販売いただくことを目的に、カツオに加えて高級魚として消費者ニーズの高いマグロとタイも新たに開発し、3種セット(各2パック)6980円で発売しました。
その後も大丸松坂屋さんでの継続的な販売の機会をいただき、2022年夏のギフトカタログ掲載にも繋がりました。こちらは数字を伸ばすための味付けの変更やマイナーチェンジ、販売する種類の精査、売れやすい価格に移行するなどの施策を行い、粒マスタード風味だったマグロをカレー醤油味に変更し、タイとマグロの2種セット(5400円)で発売することに。
大丸松坂屋さんでは5400円が絶対的に売れる価格帯なんだそうです。さらに、「せっかくなので、夏のギフト向けの商品をもう1品開発して販売しましょう」というお話を頂戴し、「夏といえば鰻が売れる」というテーマの下で、新たに「うなぎの炊き込みご飯のもと」も開発。
1万800円という高単価ながら売れ行きは大変好調でした。結果的に、売れるための要素をバイヤーさんから学ぶことができたこと、また冬夏トータルで350万円以上の売上を達成でき、「buyer’s one」に参加して本当によかったと実感しております。
――そもそもなぜ、「buyer’s one」に参加されたのですか
(長井さん)
通年売れる看板商品と、期間限定で売る鉄板商品の両軸で商品力を強めたい、というのが一番の理由です。
水産加工業界は近年、原価高騰のあおりを受けて厳しい状況が続いていたところに、コロナが追い打ちをかけました。
弊社でも業務用の卸が振るわず苦戦を強いられることとなり、「長くきちんと売れる商品を作りたい」という想いがますます強くなっていきました。
2021年、その一方で、自社だけで商品開発を行うことの限界も感じており、プロのバイヤーさんにアドバイスをいただき、商品のバリエーションを増やして販売力を強化できればと考え、buyer’s oneへの参加を決意しました。
――「buyer’s one」に出品した商品の反応はいかがでしたか
(長井さん)
「漬けカツオセット(てこね寿司セット)」。遠洋鰹一本釣漁船で釣り上げたカツオを生きたまま船上で急速冷凍し鮮度を保持した「ビックリカツオ」を使用し、醤油ベースの地につけてカツオ特有の臭みを抑えた商品に仕立てた自信作でしたが、サポートを担当してくださった大丸松坂屋のバイヤー・渡邉さんからは最初、「うち(カタログギフト)で売るのは難しい」との評価を受けました。
大衆魚のイメージが強いカツオでは、どんなにいい素材を使っていても百貨店の贈答用のギフトとしてはお客様が選択せず、売れにくいというのです。
私どもはつい、売りたい商品を開発してしまいがちですが、「売る場所によって、売れる商品は変わる」という当たり前のことを改めて認識いたしました。
――その後は、どのように商品改良を進めていかれたのですか
(長井さん)
「漬けカツオセット」のような魚の「漬け」商品は、ヒットセラーにはなれないにしても、味、販売価格や内容量という仕様を考慮すれば、年間を通して安定的に売れる商品になりうるとのアドバイスをいただきました。
ただし、比較的加工がしやすい分、競合も非常に多い。そこで、和ではなく洋のシェフの監修を受けてこれまでにない新しい漬けを作ろう、という方向性が決まり、モダンガストロノミーの人気店「セララバアド」の橋本シェフに監修をお願いすることになりました。
コロナ禍ということもあり、橋本シェフがレシピを考え、試作品も送って頂き、それをもとに私どもで試作品を作り、シェフに配送して試食してもらう、という流れで開発を進めました。
――シェフに監修いただいたことで、どんな気づきや学びがありましたか
(長井さん)
自分たちで漬けを開発すると、つい醤油、味噌、生姜といった和の味付けに偏りがちなのですが、橋本シェフはエルブドプロバンスやマスタードシード、さらにはトルコの香辛料「スマック」などを和の調味料と組み合わせて、これまでにない洋食テイストの漬けを作ってくださいました。
最終的には私どもがレシピを再現するだけなのですが、調味手順ひとつとっても、橋本シェフが作ったものと、私どもが作るものとでは違う味になってしまって… 最終OKがなかなか出なかったのですが、それだけ真剣に向き合ってくださったことに感動しました。
調味料に魚を浸けるというシンプルな商品でありながら、調味料の配合やしみ込ませ方にもプロならではの技術があり、それによって味わいがまったく変わることも痛感しました。
その後、夏のギフト向けに開発した「うなぎの炊き込みご飯のもと」では、「羅漢」の加藤シェフにご協力いただきました。白アワビ茸や柚子、味噌などを用いた独創的な素材の組み合わせ方や、素材の香りの活かし方が大変勉強になりました。
――「buyer’s one」での成果を、今後どのように活かしていきたいですか
(長井さん)
実は大丸松坂屋さんでの販売をきっかけに、他のバイヤーさんからもお声がけをいただき、新たな商品開発もスタートしています。
「buyer’s one」を通じてプロのバイヤーさんやシェフと繋がれたことでたくさんの刺激をいただき、視野も大きく広がりました。
とりわけ大丸松坂屋バイヤーの渡邉さんは、三重までわざわざ足を運んでアドバイスをくださり、最後まで親身になってくださったことに感謝しています。
私どもは社員・パートを含めて5~6人の小さな会社です。コロナ禍で2020年、2021年の売上げは非常に厳しい状況で、さらに、私ども水産加工業者にとってなくてはならない存在である一次生産者、漁師の皆さんへのダメージも相当なものでした。
日本の漁業を未来に継続させるためにも、私たち水産加工業者が少しでも買い支えることが使命だと考え、今後も商品開発に力を入れていく予定です。そうして会社を成長させ、地域の雇用創出にも貢献したいと考えています。
生化学を専攻し、微生物を使用した環境製剤のメーカーに29年間勤めたのち、地元に戻り、水産物を加工する会社を立ち上げる。天然魚、ならびに現地まで足を運んで餌や飼育環境を確認した養殖魚のみを使い、安心でおいしい商品づくりに励んでいる。手掛ける商品は、カツオ、マグロ、クエなどがメインで、近年はカツオを原料に餃子、なめろう、メンチカツなど食べやすい形にした商品の開発・提供を進めている。
㈱紀伊長島 https://kiinagashima.co.jp/
飲食業界の専門誌の編集を経て、2007年にフードライターとして独立。
飲食業界誌・料理専門誌を中心に、雑誌・WEB等で執筆。
CANVAS 広報・メディア部門 パートナー。
商品開発・改良支援の取り組み<buyer’s one>は
バイヤーと共にマーケットの需要を踏まえた商品作りに取り組める貴重なサービス。
売れる商品づくりの実現に向け、第一線で活躍する現役バイヤーが商品開発・改良から販路開拓までサポートします。
ブログでは、buyer’s oneに参加し商品開発や改良に取り組んだ事業者の声を、シリーズでお届け。
第5回は『㈱紀伊長島×大丸松坂屋百貨店 セララバアド橋本宏一監修 マグロ、カツオ、タイの漬け丼セット』です。
buyer’s one/buyer’s roomについては https://buyers-room.com/ をチェック
ハーブ風味のカツオに、粒マスタード風味のマグロ、そしてトルコの香辛料「スマック」とオイルを合わせたタイ…。
2021年のbuyer’s oneへの参加をきっかけに、大丸松坂屋百貨店のバイヤーのアドバイス、実力シェフの監修を受け、新感覚の魚の漬け丼を開発したのが、三重・紀北町で水産加工業を営む㈱紀伊長島。
日常食の漬けが、百貨店のギフトとして評判を得るまでのストーリーを、代表取締役の長井さんに伺った。
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