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和歌山・北山村のじゃばらを、全国で知られる柑橘に。
果皮の有効活用で新商品も誕生
<from buyer’s one>

  • 投稿日 : 2024/01/18
  • |
  • 最終更新日 : 2024/02/07

商品開発・改良支援の取り組み<buyer’s one>は
バイヤーと共にマーケットの需要を踏まえた商品作りに取り組める貴重なサービス。
売れる商品づくりの実現に向け、第一線で活躍する現役バイヤーが商品開発・改良から販路開拓までサポートします。
ブログでは、buyer’s oneに参加し商品開発や改良に取り組んだ事業者の声を、シリーズでお届け。
今回は、『㈱じゃばらいず北山×スズキヤ じゃばらペースト20倍!じゃばらぽん酢じゃぽん、じゃばらあんぱん』です。
buyer’s one/buyer’s roomについては https://buyers-room.com/ をチェック

和歌山・北山村でのみ自生し、幻の柑橘とも呼ばれる「じゃばら」。
村一番の特産品でもあるじゃばらの知名度と価値向上を目指して様々な商品開発・販売を行っているのが、2019年に設立されたばかりの㈱じゃばらいず北山。
「単に売上を上げることだけが目的ではなく、じゃばらという素材そのものを全国で広く知ってもらうための足がかりを得たくて参加しました」と語る同社営業グループの谷合さんに、「buyer’s one」での取り組みと成果について取材した。


①じゃばらの全国的な知名度を上げるため、販促と新商品開発の両輪で展開


―――新規取引先となったスズキヤで商品開発も行い、1シーズンで400万円以上の実績を上げられましたね

(㈱じゃばらいず北山 営業グループ 谷合徹也さん)
弊社では「じゃばらの全国的な認知度を高める」ことを目標に、社員一丸となって事業に取り組んでいます。

そこで、主要取引先である地元のスーパーや道の駅だけでなく、新たな販路開拓を課題としていたところ、「buyer’s one」への参加をきっかけにスズキヤさんの店舗で商品を取り扱ってもらえることに。

加えて、既存商品のぽん酢の商品改良も進めることになりました。

売り場では、冬場の鍋シーズンから春先の花粉症シーズンにかけての期間に訴求力が高いと予測し、11月のチラシ掲載からお取引をスタート。

じゃばらという素材そのものの認知を上げるために、ジュースやぽん酢、果汁飴といった加工品だけでなくじゃばらの果実も販売させていただきました。

さらに、スズキヤさんのベーカリー部門で、弊社の「じゃばら果皮ペースト」を使って開発いただいた「じゃばらあんぱん」も大変好評で、2023年9月までの期間に全体で400万円を超える実績を上げることができました。

②身近なスーパーの売り場から、じゃばらを知るきっかけを作りたい


―――「buyer’s one」に参加されたきっかけは何だったのでしょうか

(谷合さん)
じゃばらは、和歌山県東牟婁郡北山村のみで自生していた柑橘類。

村民の敷地に1本だけ存在していた原木から始まり、北山村の産物として大事に育ててきました。

近年は花粉症対策に効果があるとして注目されていますが、まだまだ一般知名度は低く、販路も限定されています。

そこで、各地域にあるスーパーマーケット様をターゲットに、手軽に購入できるお菓子やドリンクなどじゃばらを知っていただくきっかけとなる商品を開発したいというのが最初の応募動機です。

同時に、ギフト・カタログ関係の販路も弱いため、既存のセットの販促も課題としてありました。

また既存商品に関しても、複数のバイヤーさんに評価してもらう機会というのはこれまでありませんでした。

プロの目線で、プラスとマイナス両方を厳しく評価していただき、現状に満足せずによりよい商品づくりに反映させたいと考え、エントリーしました。

③思い入れのあるじゃばらぽん酢の改良に加え、パンに使うという新たな気づきも


―――販促と新商品の開発は、それぞれどのように進めていかれたのでしょうか

(谷合さん)
スズキヤの磯崎さんとオンラインでの打合せから始まり、秋冬のフェアの開催に向けて準備を進めていきました。

最初にご指摘いただいたのは、パッケージの統一感がないこと。

例えば同じジュースでも缶とペットボトルでデザインが違うので、売り場に並べたときに同じ会社だとわかりにくく、ブランディングに繋がりにくい。

まさにおっしゃる通りだと感じ、現在改良を進めています。

(谷合さん)
同時に商品開発に関しては、既存のじゃばらぽん酢の改良から取り組むことに。

磯崎さんから「固形の果皮が多く入ったぽん酢を作れないか?」とご提案いただき、10倍、20倍と段階的に果皮の量を変えて、味とのバランスを見て調整していきました。

果皮をたくさん入れたことで、従来使用していた充填機では大量生産できないことがネックになっていましたが、2023年11月に新しい加工場が完成して生産体制も整い、販売に向けて最終調整中です。

このぽん酢は、過去に外注から村内での生産へと切り替えた思い入れのある商品のひとつで、自社でも改良の意見があがる中で「buyer’s one」へ参加したので、プロのバイヤーさんからの助言をいただいて改良まで繋げられたのがとてもありがたかったです。

加えて、弊社の「じゃばら果皮ペースト」を使ってスズキヤさんで開発してくださったあんぱんがとてもおいしくて。

パンに使うという発想は弊社にはなかったので、新たな可能性を感じています。

―――取り組みを進める中で、とくに印象に残っているのはどんなことですか

(谷合さん)
フェアの際に私もスズキヤさんの店頭に立たせていただいたのですが、お客様と従業員さんが接している時間が長く、アットホームな雰囲気がとても魅力的でした。

試飲して「おいしいから買うわ」と味の面を評価してくださったお客様もいて自信に繋がりましたし、消費者の方々の意見を直接聞ける貴重な体験でした。

加えて、スズキヤさんにはオリジナルブランドのお弁当やお惣菜もあり、それらの商品力の高さにも驚きました。

ヒット商品のお弁当は、お吸い物が添付されていてお茶漬けとしても楽しめるという工夫に加え、食べやすいように魚の骨を抜いてあるんです。

とことんお客様目線に立った商品開発の大切さを学びました。

④じゃばら果皮の新たな活用法を知り、SDGsな商品開発に活かす


―――「buyer’s one」での成果を、今後どのように活かしていきたいですか

(谷合さん)
北山村のじゃばらは、年間生産量が約100トンしかなく、うち果汁として商品化できるのは約40トン。

残りの50トン以上を果皮が占めていますが、マーマレードかサプリに加工するくらいでなかなか有効な用途を見つけられずにいました。

ですから、今回の取り組みで完成したぽん酢やあんぱんは、果皮の新たな活用法という面でも大変意義が大きいものでした。

今後はSDGsの観点からも、北山の産品をもれなく使った商品を開発していきたいと考えています。

それと同時に、「じゃばらの全国的な認知度を高める」という目標の実現に向けて、国内はもちろん海外にもじゃばらの魅力を伝えていきたいです。

【プロフィール】㈱じゃばらいず北山 営業グループ 谷合徹也さん

和歌山県にある北山村役場が行っていたじゃばら事業を2020年より引き継ぎ、じゃばらの生産・加工・販売を行う㈱じゃばらいず北山にて、2021年2月よりじゃばら事業を担当。商社や製造メーカー、企業のバイヤーへの営業などを積極的に行い、じゃばらの全国的な認知度を高めるために尽力する。2022年4月からは新たにふるさと納税事業を担当し、事業者との調整や返礼品の提案、発送業務などを通じて北山村の魅力を発信する業務に務めている。

株式会社じゃばらいず北山 https://jabarise.co.jp/

聞き手・文:フードライター 笹木 理恵

飲食業界の専門誌の編集を経て、2007年にフードライターとして独立。
飲食業界誌・料理専門誌を中心に、雑誌・WEB等で執筆。
CANVAS 広報・メディア部門 パートナー。

笹木理恵 https://news.yahoo.co.jp/byline/sasakirie

商品開発・改良支援の取り組み<buyer’s one>は
バイヤーと共にマーケットの需要を踏まえた商品作りに取り組める貴重なサービス。
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ブログでは、buyer’s oneに参加し商品開発や改良に取り組んだ事業者の声を、シリーズでお届け。
今回は、『㈱じゃばらいず北山×スズキヤ じゃばらペースト20倍!じゃばらぽん酢じゃぽん、じゃばらあんぱん』です。
buyer’s one/buyer’s roomについては https://buyers-room.com/ をチェック

和歌山・北山村でのみ自生し、幻の柑橘とも呼ばれる「じゃばら」。
村一番の特産品でもあるじゃばらの知名度と価値向上を目指して様々な商品開発・販売を行っているのが、2019年に設立されたばかりの㈱じゃばらいず北山。
「単に売上を上げることだけが目的ではなく、じゃばらという素材そのものを全国で広く知ってもらうための足がかりを得たくて参加しました」と語る同社営業グループの谷合さんに、「buyer’s one」での取り組みと成果について取材した。

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